AE初心者向けのチュートリアルを作成してよく使う機能である
「トラックマット」
なかでもアルファマットはとても使う機会が多いです。
私のチュートリアルでも当たり前のように、特に触れずにトラックマットを使用していましたが、初心者のためにも一度トラックマットについて説明しようかと思います。
仕事においてもトラックマットを利用することは本当に多いです。
アフターエフェクトに限らず、動画編集、映像制作で必要なアルファチャンネルという概念を理解する上でも大事ですので、少しでも理解してくださいね。
アルファチャンネルとは
先ずはアルファチャンネルについて説明しましょう。
アルファチャンネルとは
不透明度のデータの事
という風に覚えておいていいでしょう。
デジタルの画像、動画はRGB3つのチャンネルと不透明度を表すアルファチャンネルで構成されています。
8ビットの場合は2の8乗の256で色を表しています。
Red Green Blue 加法混合で、それぞれ0〜255までの数値で色を表現しています。
ちなみにRGB全て0が黒、255が白です。
そしてアルファチャンネルも同様に0〜255までの数値で表されており
0(黒)が透明
255(白)が不透明
になっています。
アフターエフェクト上でもRGBを個別で見ることができますよ。
グレースケールでそれぞれRed Green Blueの強さを表しています。
これは余談になりますが、実写合成で色を合わせる作業するときはRGB個別に見ながらレベルを各チャンネルごとに合わせていく方が楽ですし早いです。
トラックマットとは
アルファチャンネルと同様に、不透明度を表すのが「マット」です。
CGではグレースケール画像のことを言ったりしますが、アルファチャンネル同様に不透明度を表すものだと考えていいです。
そしてトラックですが、プレミアプロで編集している方はわかるかと思いますが、アフターエフェクトで言うレイヤーがプレミアプロで言うトラックです。
つまり、
レイヤーの情報から不透明度を適用しますよ
っていうのがトラックマットです。
もうレイヤーマットって言った方がわかりやすいんじゃないか…。
このトラックマットは一つ上のレイヤーの情報から不透明度を適用できます。
そしてレイヤーの情報として扱うのがアルファ情報とルミナンス情報です。
トラックマットのやり方
トラックマットのやり方は不透明度が使いたいレイヤーが上にある状態でトラックマットのプルダウンメニューから選んでください。
もしトラックマットのメニューがない場合は左下のアイコンが3つ並んでいる所の真ん中をクリックすればトラックマットの項目が出てきます。
アルファマット
これは先ほど説明したアルファチャンネルの情報を不透明度に適用させるものです。
1つ上のレイヤーの形で型抜きするという認識でもいいかもしれません。
このアルファマットは本当によく使用します。
ルミナンスキーマット
ルミナンスキーとは輝度=明るさの情報を不透明度に適用させるものです。
白黒のグラデーションで見てみると下図の通り
フラクタルノイズなんかで作った素材をルミナンスキーマットで使うというのもよくある手法ですね。
アルファマットはテキストのアルファチャンネルを不透明度として
ルミナンスキーマットは黒が透明、白が透明というように認識されています。
余談ですが下のチュートリアルではトラックマットを使いまくってますね。
描画モードのアルファとルミナンス
トラックマットについてはわかったと思うので、関連して描画モードのアルファとルミナンスについても触れておきましょう。
考え方はほぼ同じなのですが
「ステンシルアルファ」
「ステンシルルミナンスキー」
「シルエットアルファ」
「シルエットルミナンスキー」
これらの描画モードでは
ソースレイヤーが、その下のすべてのレイヤーのマットに変換されます。
同じレイヤーを複製してトラックマットにしている場合は
描画モードでマット設定してしまった方が作業も、アフターエフェクトの処理も早いです。
チャンネル設定 マット設定
トラックマットや描画モードだと透明度を設定するのにレイヤー数が増えたり、レイヤーの順序を考えなくてはならなかったり、プリコンポーズをしていかなくてはいけない場合が多いです。
そういった場合はエフェクトのチャンネルにあるチャンネル設定やマット設定エフェクトを使うといいでしょう。
マット設定エフェクトを使用するのが一般的かと思いますけどね。
非表示にしたレイヤーを選択できますから、チャンネル設定エフェクトやマット設定も使えるということを覚えておいてくださいね。
最後に
今回はアフターエフェクトにおいてのアルファチャンネル、トラックマットのアルファマットやルミナンスキーについて触れましたが、これから動画編集・映像制作する方は必ず覚えておいた方がいい知識になります。
アフターエフェクトでもモーショングラフィックを中心に行ってる人も必要になってくる知識ですが、実写合成、コンポジットをする人はもっと深いレベルで理解しておく必要があります。
何となく見た目でトラックマットやエフェクトを選びがちですが、この辺の知識を身に付けておくと作業効率も上がるので
動画編集・映像制作のセンスだけでなく確かな知識も一緒に身に付けて行きましょう。