今や映像制作、動画編集に欠かせないソフトであるAfter Effects。
よく名前は聞くけど
「どんなソフトかわからない」
という映像制作、動画編集の初心者の方もいるのではないでしょうか?
After Effectsはプロも使用するソフトでアニメーション、エフェクト演出、VFXなど様々な使い方ができるソフトです。
プロの現場でもなくてはならないソフトの一つになっています。
今回は映像制作、動画編集歴10年の私が、After Effectsがどんなソフトで何が出来るのかを初心者向けに解説します。
After Effectsが使えれば映像制作、動画編集のクオリティが一気に上がりますので、After Effectsを使うきっかけにしていただければ幸いです。
After Effectsってどんなソフト?
After Effectsはプロも使用するソフトで
アニメーション
エフェクト演出
VFX
など様々な使い方ができるソフトです。
モーショングラフィックスからCGと実写合成した映像を作成することができます。
Premiere ProとAfter Effectsの違い
Premiere ProもAfter Effectsも同じAdobeの映像系のソフトになりますが、使用用途は全く違います。
Premiere Proは素材をカット編集をして1つの作品を作り上げることに向いていますが、After Effectsはワンカットの作りこみに特化しているソフトになっています。
仕事ではPremiere Proで仮編集(オフライン)を行って、加工する部分はAfter Effectsで作業するという感じですね。
ソフト間での連携も容易なので、作業効率もかなり良いです。
昔はカットごとに書き出してAfter Effectsで作業してレンダリングしてPremiere Proに戻るといったこともしていたのですが、今はAdobe Dynamic Linkのおかげでワークフローもスムーズになっています。
Premiere Proはカット編集に向いていて
After Effectsはワンカットの作りこみに向いている
After Effectsの特徴
After Effectsは様々な使い方が出来るソフトですが特徴をあげると3つ
- CGアニメーション
- エフェクト
- VFX
CGアニメーション
After Effectsがで作成できるアニメーションは様々です。
3DCGモデルの作成はできませんが、モーショングラフィックスのような2DCGのアニメーションは非常に得意なソフトとなっています。
アニメーションを付けるには
After Effectsでアニメーションをつけるには大きくわけて2つ
- キーフレームアニメーション
- エクスプレッション
キーフレームアニメーション
始点と終点を設定してその間の動きをソフト側で補間してくれるのがキーフレームアニメーションです。
補間方法、速度や動きに関しては調整できるようになっています。
このアニメーション手法がAfter Effectsの基本となっています。
エクスプレッション
エクスプレッションは複雑なアニメーションを作成する時に使用されることが多いです。
キーフレームを打つのではなく、言語、計算式によってアニメーションを作成するものです。エクセルの関数に似ていますね。
計算式といっても簡単なものですし、エクスプレッションを使いこなすとアニメーションを作成するのが楽になることが多いです。
エフェクト作成
集中線のような演出するためのエフェクトも作成できますし、雷のようなエフェクトや煙や爆発のようなエフェクトも作成できます。
プラグインを使用すれば更に制作の幅は広がります。
私も特撮映画で爆風や波紋などのエフェクトをAfter Effectsで作成したことがありますよ。
VFX
グリーンバックで撮影したものに別の背景素材を合成する、いわゆる実写合成と呼ばれるものや、撮影時に写ってしまったスタッフを消したり、広告等を消すこともAfter Effectsで出来ることの1つです。
これらはVFXと呼ばれる作業になります。
マスク、キーイング、トラッキング等を駆使してVFXは出来ていきます。
マスク
マスクは画像、映像の切り抜きです。
収録素材の人物部分だけを必要とする場合やエフェクトの適用個所をマスクで指定するなど、使用用途は多岐にわたります。
VFXの出来はマスクによると言っていいほど、重要なものです。
人物のマスクもグリーンバックなどで撮影されていれば後述するキーイングでマスクを作成できるのですが、仕事の現場では手書きでマスクを作成することもそれなりにあります。
マスクにもキーフレームを打ってアニメーション化させることが可能です。
キーイング
色・明暗などの成分から画像・映像の一部を抜き出すことを言います。
ブルーバックやグリーンバック撮影などをしてその色だけを取り除くクロマキー、明るさの情報から抜き出すルミナンスキーなどがありますが、一般的なのはグリーンバックでしょう。
テレビ番組でも多く使われている手法ですが、After Effectsでも精度の高いキーイングが出来ます。
プロの現場ではエッジの処理にかなりスキルやセンスが必要になりますが、簡単なものならエフェクト1つでキーイングが出来てしまいますね。
トラッキング
モーショントラッキングとも言われるのですが、映像の動き追従することを言います。
After Effectsではターゲットを設定して動きを追従する方法と自動検出するものがあります。
VFXにはなくてはならないものですし、実写と合わせたモーショングラフィックスもオシャレですよね。
トラッキングとマスクを併用して背景の一部分を修正したり、人物の肌を修正したりできます。
私はトラッキングとマスクを使って、写りこんでしまった女優さんの歯の矯正やホクロや肌を綺麗に修正する仕事もしたことがあります。
というかコンポジターの仕事だとバレ消しと言われる仕事は結構多くて、下積み時代はひたすら経験する仕事になってますね。
以前は撮影素材のクオリティが低いと中々うまくトラッキングが出来なかったんですが、最近になってトラッキングもかなり上手く出来るようになりました。
最後に
After Effectsがどんなソフトかわかっていただけたでしょうか?
After Effectsが使えれば今まで見たことのあるCMや映画のカッコいい映像演出、CG効果を自分で作る事が出来ます。
難しいソフトに感じられるかもしれませんが、プロである私もAfter Effectsはチュートリアルを検索したり、書籍で勉強しながら独学で身に付けました。
動画編集が出来る人は多いですが、After Effectsまで使いこなせる人はまだまだ少ないです。
これから動画編集の仕事がもっと増えていくと予想されていますが、After Effectsも使えるようになり自身の市場価値を高めていってください。