YouTube等で個人制作してる方に向けて
テロップについて基本的な事を説明します。
あらためて説明されなくても
小さい頃からテレビ番組を見て育ち
テロップとはどういうものかは
なんとなくわかっている人も多いでしょう。
動画制作をするにあたって
なんとなくわかっているものを
より深く理解して
効果的なテロップを入れて
動画のクオリティを上げていただければと思います。
テロップとは
「テロップ」とは映像に重ねて表示する画像や文字情報のことです。
「重ねる」という意味の「スーパーインポーズ」(superimpose)の略語で
「スーパー」や「字幕スーパー」と呼ばれることもあります。
テロップをなぜ入れるのか?
テロップを入れる理由は大きく分けて2つ
情報伝達と演出です。
・情報テロップ
→動画の中で伝えたいことを伝えやすくするための手段
・演出テロップ
→動画を面白くするため、飽きさせないための演出
情報テロップの中でも
- 話していることのポイントをまとめたものや
- 喋りがわかりやすい様に文字に起こしたもの
といった違いがあります。
演出テロップは
例えばバラエティ番組で芸人さんのリアクションを
より面白くするためにテロップで強調したり
テロップで
「この後…」といった前フリをしていますよね
また動画内でツッコミが不在の時
テロップとナレーションがツッコミの役割を果たします
テロップの種類
ここではテロップの種類をわかりやすく3つに分けて説明します
サイドテロップ
サイドテロップは画面の右上左上右下左下といった
画面の四隅に配置されるテロップです
「番組ロゴ」を入れていることもありますが
一番多い用途は
現在のトークテーマなど
番組内容を説明することに使われています
これはテレビ番組が
必ずしも番組開始から見るわけではなく
途中から見ても番組内容がわかるように
サイドテロップで視聴者に伝えています。
YouTubeのように
必ず動画開始から見るものにサイドテロップは必要か?
話の展開があるものには説明の意味で必要ですし
講義系の動画では動きもなく単調なので
サイドテロップで画面にメリハリをつけてもいいでしょう
またサイドテロップが個性的であれば
画面を見ればどの番組かわかるようになるので
番組の個性を表す意味でもサイドテロップがあれば良いでしょう
説明テロップ
- 状況説明
- 話の要約・ポイント
等に使われるテロップです。
なるべく視聴者に読んでもらいたいので
激しい動きやエフェクトは付けずに長めに入れます。
またテロップベースなどを用いて
他のテロップと差別化をして入れることが多いです。
ボイスフォロー
話していることをテロップとして入れることを言います
バラエティ番組では
- 聞き取りづらいセリフ
- 強調したいセリフ
に入れることが一般的ですが
ドキュメントやインタビューでは
話していること全てにテロップを入れます。
最近のYouTuberさんは割と全部テロップを入れている人が多いですね。
タイトルセーフ
タイトルセーフとは
テロップを入れるなら画面のここぐらいまでに入れておきましょう
というガイドラインです。
テレビ番組関係の仕事をしている時は
アクションセーフとタイトルセーフを意識して仕事します。
・アクションセーフ
→確実にテレビ画面に映る目安
・タイトルセーフ
→テロップなどはみ出すと意味が伝わらないものの目安
ブラウン管テレビ時代にオーバースキャン(拡大)されて放送受信されていた名残で
画面の85%以内にテロップを入れるという決まりがありました。
テレビ放送が地上デジタル放送に変わったごろから変化していっており
現在は
アクションセーフ 97.5%
タイトルセーフ 95% までOK
※ー電波産業会ARIBの規定
大きくはみ出すような演出等で意図的に
タイトルセーフティを越えることはあっても
基本的なテロップはタイトルセーフティ内に入れています。
一般的にはテロップは90%以内です。
あくまでテレビ番組の納品で引っかかる事案なので
YouTubeなど個人制作のものでは厳密に気にしなくてもいいですが
画面ギリギリよりも多少の余白があった方が読みやすいので
YouTubeなど個人制作もタイトルセーフを意識するといいですね。
テロップにひと手間を
テロップは読みやすさもそうですが
伝えるための工夫も必要です。
ひと手間加えるだけでクオリティも上がります。
テロップを読みやすく
テロップを読みやすくするには
- 文字の装飾を行う
- 背景を変化させる
二つの方法があります。
装飾
・エッジ
・グロー
・ドロップシャドウ
背景
・テロップベース(ざぶとん)
・背景をカラコレ
テロップにひと工夫
テロップに装飾を加える以外に
伝えるための工夫として
- フォント演出
- 動きをつける
といった点があります。
フォント演出はテロップの意味にあったフォントを選ぶのですが
これは選び出すと悩んだりして中々決まらないことがあります。
フォント選びは楽しいですがハマると抜け出せないので気をつけてください。
動きをつけるのは
ツッコミのテロップが飛び込んできたり
「シビれる」というテロップが震えたり
という例ですね。
テロップの動きについては
編集ソフトにテンプレートがいくつかあるので
試しに使ってみてください。
バラエティ番組でよく見られますが
個人制作でもフォント演出と動きでより伝わるテロップを入れていると
見やすさとクオリティが全然違ってきます。
最後に
私が仕事でテロップを作成する時は基本的に
Photoshopで作成して
AfterEffectsで演出を付けています。
最近になってPremiereのテロップ作成機能が優秀になったので
Premiereでテロップも作ることも増えました。
テロップの基本装飾は今回説明したもので
あとはどれだけ装飾を重ねているかで見栄えが変わってきます。
Adobeを使っている方はPhotoshopとAfterEffectsを駆使して
いいテロップ作成にチャレンジしてみてもらいたいです。
動画制作をするにあたって
今までもなんとなくテロップを入れていた方も
テロップの意図を考えて
動画のテイストにあった装飾とエフェクトを使った
効果的なテロップを入れて動画のクオリティを上げていきましょう。