動画編集ソフトを使用しているときに出てくるセーフマージン
そもそもこのセーフマージンて何なの?と思っているあなたにセーフマージンについて今回は解説します。
セーフマージンはテレビ放送用の規格で
「情報を載せる場合は画面の内側に入れてね」
といった基準のことです。
昔のテレビは端っこが丸くなってたりして端っこがちゃんと映らなかった時の名残りですね。
セーフマージンとは?
セーフティエリア/セーフティゾーン
セーフマージンとは動画内において確実に表示させるための余白です。
セーフマージン内をセーフエリアやセーフティゾーンと呼びます。
動画における「セーフエリア/セーフティゾーン」とは、表示機器が違っても映像が確実に表示される範囲のことなんです。
基本的にはテロップ等の文字情報をこのエリア内に配置しましょうという決まり。
ちなみにセーフマージンという言い方はAdobeソフトが使っていて他はあまり聞きません。
セーフエリアとかセーフティーゾーンとか言った方が一般的なのかも。
表示機器が違うと映像が表示されない事ってあるの?
と思う方もいるでしょうが
昔のブラウン管テレビなんかは画面の端っこがテレビの枠で隠れていたりして、動画全部が表示できていなかったんだと。
と言っても今時の地上デジタル放送が一般になってからテレビを見ている人、テレビがアスペクト比16:9が当たり前の人には馴染みがないかもしれませんけどねw
このセーフマージンを誰が決めているかと言うと
一般社団法人電波産業会(ARIB)と言う
通信・放送分野における新たな電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化等…
テレビ放送など統一規格を示してくれてい団体が決めてくれています。
参考:一般社団法人電波産業会
あくまでテレビ放送用に推奨されている規格なので、テレビ放送される番組、CM以外ではあまり気にしなくてもいいものかもしれません。
WEB用の動画にセーフマージンは関係ない?
PCやスマートフォンでの表示は100%表示が基本なのでWEB用の動画、YouTube等はセーフマージンを気にする必要は本来なんですが、YouTubeをテレビで見たり、WEB用の動画をテレビCMにも運用する可能性があるのでWEB用の動画でも基本はセーフマージン内にテロップなどは配置しましょう。
タイトルセーフとアクションセーフ
セーフマージンにはタイトルセーフとアクションセーフと2つあります。
・タイトルセーフとは
内側の線:テロップなどの文字情報はこの範囲に
・アクションセーフとは
外側の線:ここより外側の映像は表示機器によっては隠れてしまう可能性があり
こちら基準が年々変わってまして私がテレビ番組編集をしていた時は85%がタイトルセーフだった覚えがありますが…
旧基準の規格は
タイトルセーフ:90%
アクションセーフ:93%
現在の規格では
タイトルセーフ:95%
アクションセーフ:97.5%
昔のテレビだと映像を100%表示できなかったために内側に情報を載せるような基準になっていて、さらにタイトルとアクションと2つ基準を設けていました。
今はそんなに気にすることないですが、テロップはセーフマージンを意識すると単純に見やすくなるのでテロップ入れの際は気をつけて見てください。
参考ページ
ARIB TR-B4 3.0版「アスペクト比16:9の画面における セーフティゾーン」
JPPA『ポストプロダクション技術マニュアル』第8版 p146.147
Premiere Proでのセーフマージン
Premiere Proでセーフマージンを表示できますが、初期設定だと旧基準のセーフマージンになっているかも。
ということでPremiere Proでのセーフマージンの表示と設定方法について解説します。
Premiere Pro セーフマージンの表示
・プログラムモニター上で右クリック→セーフマージン
もしくは
・プログラムモニター右下のボタンエディターでセーフマージン表示を追加
右下の+をクリックしてからセーフマージンボタンをドラッグしてプログラムモニター下部に追加
Premiere Pro セーフマージンの設定
・プロジェクト設定/一般
こちらで設定が可能。
小数点以下の設定ができないのでアクションセーフを3%で設定しています。
After Effectsでのセーフマージン
Premiere Pro同様、初期設定だと旧基準のセーフマージンなのでAfter Effectsも設定してあげましょう。
After Effects セーフマージンの表示
コンポジションパネル下のグリッドとガイドのオプションを選択から
・タイトル/アクションセーフ
こちらを選択
After Effects セーフマージンの設定
After Effectsでは
・環境設定/グリッド&ガイド
こちらにセーフマージンの設定があります。
セーフマージンまとめ
セーフマージンとはあくまでテレビ放送用の基準です。
テレビ放送なんて関係ないぜっていう人は気にしなくても問題はなし。
だけども一般的にはセーフマージンとっている方がテロップなど見やすいので
テロップ入れの際はガイドとして表示するのをオススメします。
私がたまに請け負うブライダル関係の映像なんかは
プロジェクターでの投影が想定されるので旧基準を目安にテロップ入れをしてたりもします。
目的に合わせて臨機応変にセーフマージンを活用しましょう。