株式会社ワンダーシェアーソフトウェア様からTwitterのDMで「Filmora(フィモーラ)」という動画編集ソフトのレビュー記事執筆の依頼を受けました。
自分は動画編集のスタートがPremiere Pro。
そして仕事をしていく中でFinal Cut Pro7やAvid Media Composerといったソフトを使ってきましたが
動画編集ソフトのFimoraはまともに使ったことがない…。
そこで今回はTV番組編集からCM、PV、MVや映画のVFXなど映像関係の仕事を10年している私が動画編集のプロとして動画編集Fimoraの無料版を使ってみてレビューしていきます。
さらにWondershare Filmoraには
- Filmora X
- FilmoraPro
と2種類あるので
それぞれの違いも無料版で試せる範囲でレビューしていきます。
そんな方はこの記事を読んでFimoraが自分にあっているかどうかを判断してみてください。
早速ですが、私のFimora評価は以下の通り
ゴルデザによるFimora評価(※ゴルデザの独断と偏見による評価です)
- 初心者には向いている動画編集ソフト
- 簡単に出来るが細かくは設定できない
- 買切りタイプはリーズナブル
- プロが使うにはFimoraは物足りない(Fimora Proでも…物足りない…)
動画編集の仕事をしている私には物足りなさを感じるソフトではありますが
これから動画編集を始める人、動画をYouTubeやTikTokへのアップに限定している人は十分に使えるソフトなんじゃないかなと感じました。
デフォルトで使える可愛いスタンプとかありますしね。
では
- なぜ初心者向けなのか
- どこがプロには物足りないのか
Fimoraの使い方と一緒に、これから解説していきます。
ダウンロードはこちらから
動画編集ソフトFimoraの使い方
動画編集ソフトの使い方はどのソフトでも大体同じ
- プロジェクト作成
- メディアインポート(素材読み込み)
- 編集(カット・エフェクト・テロップ・BGM等)
- エクスポート(動画書き出し)
Fimoraもその辺は同じです!
プロジェクト作成
Fimora Xを立ち上げたら新しいプロジェクトを作成。
ここで気になるのは縦横比の設定がココで行うということ。
私が今まで使用していた動画編集ソフトでは
シーケンス毎に設定している気がするんですけどね。
と思ってプロジェクト作成してみたら
Fimora Xは1プロジェクト1シーケンス
みたいです。
シーケンスが複数作成出来るという事は
1つのプロジェクト内で複数本の動画編集が出来るということ。
と思う方もいるかと思うんですが
同じプロジェクトで仮編集シーケンスをバージョン分けて作業してから
コピーして本編集をすると、編集の修正があった際に対応しやすかったり
前に編集していたシーケンスを読み込んでコピペしたり
ブロック毎(導入部分、本編、締めなど)にシーケンス分けたり
動画編集していたらシーケンス増やしたいって思うことがあるんですよね。
って思うかもしれないですが、初心者には逆に扱いやすい点でもあるんですね。
初心者には
プロジェクト設定
シーケンス設定
…は?
ってなるんでシーケンス設定とかプロジェクト設定があって混乱するよりは
シンプルなプロジェクト設定だけの方が良いですからね。
Fimora Xのプロジェクト設定は
- アスペクト比
- 解像度
- フレームレート
これだけなんでPremiere Proと比べるとかなりシンプルですね。
ちなみにFimora Proのプロジェクト設定はこんな感じ。
オーディオの設定が増えている感じですかね。
メディアインポート
プロジェクトを作成したら次はメディアインポート。
インポートする箇所は複数ありますね。
このメディアインポートで驚いた事が!!!
インポートするとこんなメッセージ。
デフォルトでプロキシ設定出来るのはかなり良い。
動画編集時は軽いので編集の動作もサクサク動くはず!(実証するには至ってないですが)
その他の静止画も効果音も問題なくインポートできますね。
アルファ付き(透明度情報)のエフェクト素材も問題なかったです。
ストックメディア
Fimoraのここが凄かったと言える点。
Fimoraのソフトから素材をダウンロード出来てしまうんです。
Premiere ProにはAdobe Stockからテンプレートダウンロードして使えたりしますけど、初心者向けのいわゆるライトな動画編集ソフトで素材ダウンロード出来るのは見たことなかったです。
音楽
こちらもダウンロード可能。
しかも種類が豊富。
iTunesも勝手にパスが繋がっている。
これもこれで初心者には有難いのかな?
タイトル
これもプリセットの数が豊富!
テロップデザインを一から作り込まなくても良いですね。
細かい修正はタイムラインにドラックしてからダブルクリックして
テキストの高度編集から色々いじれます。
タイトルはFilmstockというWondershareの素材サービスからもダウンロードできます。
トランジション/エフェクト/エレメント
タイトルの他にも
- トランジション
- エフェクト
- エレメント
これらはデフォルト以外にFilmstockからダウンロードしてインポート可能。
Filmstockの有料プランなら、かなりバリエーション豊富なプリセットやエフェクトを使えるようにりますかね。
トランジション
トランジションは画面の切り替えに使うエフェクトですが
シェイプトランジションもデフォルトで入っているのはいいです!
エフェクト
エフェクトもオーバーレイの種類も豊富!
LUT(わかりやすく言うとカラープリセット)も用意されているんですが
Anime風のLUTなど使ってみたくなるものが多いですね。
個性的すぎて汎用性はないかもしれないですが、TikTokのような短めな動画にはマッチするかも!
エレメント
スタンプ、モーションシェイプ、これらもかなり豊富。
手書き風のエレメントなんかもとても可愛いですね。
これらのプリセット使って良い感じのVlogも簡単に作れるでしょう。
本当にプリセット豊富です。Fimora Xは…。
このプリセットが豊富なのが良いところなんですがFimora Proにはないんですよ。
どうせならFimora Proにもエフェクトやエレメントの豊富なプリセットがあれば良いのにと感じますね…。
編集
メディアの次は編集へ
メディアをタイムラインへドラッグ
…とココで気になる点が
メディアはシーケンス設定に合うように勝手にリサイズされている?
テストでインポートした素材は4Kで撮影したものですが
Full HDのシーケンスにドロップしたらシーケンスのサイズにリサイズされていました。
シーケンスの倍の大きさの素材なのでスケールを50%にして全体が収まるようになるはずが…
試しにシーケンスのサイズより小さいサイズの画像をタイムラインへドロップしたらシーケンスサイズに合うように大きくなっていました。
これも初心者には親切なのでは?
ちなみにFimora Proはリサイズされなかったので、これはFimora X独特の仕様みたいです。
カット編集は他の動画編集ソフト同様でクリップを分割(カット)して使い所を決めて素材を並べてく感じ。
ショートカットキーを使いながら編集出来れば編集速度は上がりますが、初心者はクリックとドラッグで編集する方がわかりやすいですかね。
編集は他の動画編集ソフトとそんなに違いはないですね。
特徴的な点はドラッグでクリップを短くした際にタイムラインの後ろにも影響してくれる点ですね。
空白にならず間を自動で詰めてくれるのは良いです。
他の編集ソフトだと空白になってから間を詰める作業を必要とするんですけど、Fimora Xならそこまで自動。Fimora Proは空白が出来るので他の多くの動画編集ソフトと同じ仕様ですね。
この機能も一長一短ではありますけどね。
初心者にとっては動画編集の手助けになると言えるでしょう。
エクスポート
動画の書き出しはエクスポートから設定して出来ます。
ここで驚いたのはYouTubeアカウントを同期することで直接アップロード出来ることです。
YouTubeにアップロードとは言っても、後で概要欄やタイトルなどを記載する必要がありますが
動画の書き出しを行ってから自身でYouTubeにアップロードするよりも
直接アップロードされる方が早い!楽!
YouTubeの他にVimeoにも対応しています。
デバイスに合わせたプリセットも用意されているので初心者にも簡単に書き出しができますね。
ちなみに無償版はFimoraの透かしが入るので無償版を運用するのは現実的ではないです。
使うなら無償版でしっかり使用感を確かめて有償版にしましょう。
Fimoraの良い点
素材の読み込みから書き出しまで実際にやってみて
動画編集のプロにとっては物足りないソフトではあるのですが
初心者にとっては使いやすいと思います。
動画編集の他のソフトに慣れている人からすると
っていう機能も初心者にとっては
と感じる事が多いでしょう。
そしてエフェクトのプリセットが本当に豊富
動画編集で簡単に「いい感じ」を求めるならFimoraはいい。
ただし、プリセットを使う分、個性は出しにくいですけどね…。
Fimora XとFimora Pro
Fimora XとFimora Proの両方を使ってみて感じたのは
Fimora Xは初心者向けで良いソフト
Fimora Proは初心者要素(エフェクトやエレメント類)が無くなった分、プロ仕様にはなってきましたがPremiere Proと比べると物足りない。
個人的には1プロジェクト1シーケンスって所が特に。
Fimora Xの初心者向けの機能をもっと充実させたPro版にすれば良いのに。
Fimora ProはFimoraの個性が無くなって他の動画編集ソフトに近いものになっているのが残念ですかね。
Fimoraの料金 Fimoraは高い?
Fimora Xの料金
年間
6,980円(税込)
買切りタイプ
8,980 円(税込)
Filmora+Filmstock
11,780 円(税込)
※これらの値段は期間限定の値引きの可能性あり。
Fimora Proの料金
年間
13,980円(税込)
買切りタイプ
21,980円(税込)
これは動画編集ソフトとしてはリーズナブルだと言えます。
サブスクリプションもあるので比較しにくいかもしれませんが参考までに。
Final Cut Pro X | 36,800円 |
---|---|
AVID Media Composer | 191,100円(税込)永続ライセンス |
EDIUS Pro | 47,918円 |
Premiere Pro | 2,480 円(税別)月額 5,680 円(税別)Creative Cloudコンプリートプラン月額 |
Fimora X | 6,980円(税込)年間 8,980 円(税込)買切りタイプ 11,780 円(税込)Filmora+Filmstock |
Premiere Proはソフト単体なら他と価格帯はあまり変わりませんが、Creative Cloudコンプリートプランだと高いように感じるかもしれません。
正直、この価格であれだけ動画編集が出来ると考えると
かなりコストパフォーマンスは良い
と言えるでしょう。
Fimoraのユーザーの声
今回Fimoraのレビュー記事を執筆するにあたり、実際にFimoraを使っている人の感想も聞いてみました。
趣味でYouTube投稿を始めたと言う「みんなのキャンプ倶楽部」さん
Q.Fimoraを使い始めたきっかけは?
MacのiMovieで最初編集していたのが、テロップの位置とかタイミングを合わせるのが面倒だったので簡単なソフトを探しててフィモーラの無料版を使用してみました。
動画を作った後に透かしが入ることを知って有料版にアップグレードしました。
Q.他の動画編集ソフトは検討しましたか?
他の編集ソフトも検討しましたが
無料の物は出来ることが少なくMacの既製ソフトでいいと感じましたし
他の有料の物はレベル高いけどレベルが高すぎて扱いきれないので、程よいフィモーラに。
Q.Fimoraのどんな所を気に入っていますか?
直感的に使えるので、初心者がいきなり始めても迷わない。
価格は安いけど、通常の動画編集に必要な機能は基本揃ってるのでコスパが良い。
Q.Fimoraに不満があれば教えてください
長めの動画になると、編集中にタイムラインを頻繁に拡大したり縮小しないと細かい作業が出来ないこと。
YouTube のための動画だと、モザイク機能が必要な場面が多いですが、モザイクの自動追従機能とか顔認識機能が全く役に立たないので自力で頑張るしかない事。
Q.最後に一言
多少の不満点はありますが基本的には初心者でも使いやすいから気に入ってます。
概ね高評価の回答でした。
初心者目線だと私の評価とは多少違いましたね!
まとめ
やはり初心者にとっては豊富なプリセットは魅力的ですよね。
Fimoraは動画編集をこれから始める人にとって
- コスパ良い
- エフェクト類も豊富
- 簡単で使いやすい
そんな動画編集ソフトだと言えるでしょう。
Fimoraを詳しく知りたい人はFimoraの公式サイトやYouTubeをチェックしてください!
ダウンロードはこちらから